kindle 出版

以前紹介した『小論文・レポートの書き方 パラグラフ・ライティングとアウトラインを鍛える演習帳』を単行本に加え、Kindle版でも出版しました。

小論文・レポートの書き方 パラグラフ・ライティングとアウトラインを鍛える演習帳

この本以降に出版した本や、既に絶版になった本のKindle版も加え、10冊近くをKindleで出版してみました。

単行本と、Kindle版と両方出した本に関しては、「単行本の方が売れている」のが現実です。この点はちょっと意外で、思った以上に書籍の方が良いと思っている人が多いことを伺わせます。ただ、海外在住の方にとってはKindle以外のオプションがない、という場合も多いようですが。

さて、Kindleでの出版。どうやったら本を作れるのかと思って調べてみると、Kindle出版に関する多くの解説サイトや解説本は ePub のフォーマットで本の原稿を作れ、と書いてあります。その一方 Kindle のサイトには「.doc でも可能」と書いてありますし、単行本の原稿はMS Wordで書いてあるので、それが転用できればずっと楽。一応Kindleで出版するために ePub を作る環境も整えてはみましたが、.doc で挑むことにしました。

結果から先に書くと、.doc ではなく、MS Word でもさらにバージョンが新しい .docx がお勧めです。.doc と .docx では、改ページのコードを入れた時の動作が異なっていて、.docx の方が「ページを変えたいところで変えられる」のです。

作り方は簡単。MS Wordでどんどん文章を書く。改ページしたいところで改ページを指定する。見出しを設定する。目次はページ番号ではなく、ハイパーリンクを作って挿入する。絵や写真は、コピペして中央寄せしておく。表は横に長いとスマホなどでうまく表示できないので、作り替えるか、あるいは画面キャプチャで画像化しておく。あとは奥付や出版情報を付けて、原稿の .docx ファイルは出来上がり。これとは別に表紙画像を作って完了。

これをKindleのサイトで登録すれば作業終了です。出版前に自分がアップしたファイルをシミュレーターで見ることができるので、必要があれば原稿を修正して再度アップ。何度でも修正できます。

Kindle出版、思ったより簡単でした。

ただ、一度だけペンネームを使ってKindle出版を行ったところ、アマゾンから「出版権の確認ができる資料を送れ」という通知が来ました。そこで、出版契約書のようなものを作り、PDFファイルにして送ったらクリア。「出版権の確認資料ってなんだ?」と思いましたが、これで解決。

Kindle出版、思ったより簡単でした。

アマゾンKindle読み放題サービスのビジネスモデルが破綻?

報道によると、アマゾンが最近始めたばかりのKindle定額読み放題サービスから、人気の書籍を外すことを始めたそうです。定額読み放題サービスは、月額定額の課金で、登録されている本をどれだけでも読めるサービスですが、ビジネスモデルにほころびが出たようです。
このサービスはユーザーが払うのは定額ですから、「ユーザーの数X定額料金」以上の収入は見込めません。総額ではもちろんものすごい金額になるはずですが、当然コンテンツ提供側への支払いもあります。これがどうやら定額制ではなく、ダウンロードされた数(読まれた数)に応じて出版社に支払われる契約だったようです。しかも、人気の本にはプレミアムが付けてあったとか。もちろん人気の本が相当数なくては、定額料金を支払うユーザーが増えませんから、これはこれで納得できること。
ところが、報道によるとアマゾンが出版社に支払う資金が底を突き、人気本をラインアップから外したとか。人気本のダウンロード数が予想以上で出版社への支払いが過大となり、これ以上続けると赤字になる、と判断したのでしょうね。
通常の販売であれば、ユーザーが購入した代金の何割かが出版社へ支払われる契約ですから、資金が不足するということはまずありません。アマゾンの収入と支出は必ず比例するからです。ところが定額サービスは、アマゾンの収入と支出が比例していませんから、今度のようなほころびが出てしまったのでしょう。アマゾンのようなビジネス巧者であっても、予測ができず計算違いが起きるものなのですね。

Amazon Kindle用電子書籍で評価が星ひとつ?

Amazonで販売しているKindle用の電子書籍。ある時を境にほとんど売れなくなってしまいました。特に売上が減って困ることもないので気にせずにいましたが、先日ふと見てみると、評価が一件、星ひとつのものだけ。

内容を読んでみると「ダウンロードしたけど、システムが違うと出て読むことができない」ですと。

これ、本の内容への評価に全然なっていません。システムの互換性の問題で評価に星ひとつを付けられたのでは、ほとんど営業妨害です。

アマゾンの方には「不適切な評価である」と通報しておきましたが、はて、いつ解除されることやら。

ただ、私の知人もKindleのダウンロードを試みてうまく行かなかった、と言っていましたから、結構わかりにくいシステムなのかもしれませんね。

紙の本と電子書籍のどちらで出版?

自分で書いたものを出版しようとする時、現在であれば旧来の紙の本にすることもできますし、Kindleや楽天KOBOのようなサービスを利用して電子書籍として出版することも可能です。さらに、WEBで発表してしまうというのも手段としてはありですが、WEBだと「出版した」という実感がつかめないのでとりあえずは外しておいて、紙の本か電子書籍かを考えたいと思います。

まず、私は幾冊かの著書や翻訳書があり、紙の本のコンテンツを作った経験があります。さらに会社として本のブログに書いたように、依頼を受けた自費出版本の編集を行い、アマゾンでの販売にこぎつけました。

さらに、小論文・レポートの書き方ガイド電子ブック版など10種類以上の電子書籍をアマゾンのKindle等電子書店でも販売しています。

つまり、紙の書籍も作り、電子書籍も作って販売しているわけです。それぞれが特徴を持っており、一概に「どちらの出版を目指すのが良いか」は言えませんが、比較してみたいと思います。ただし以下に書くのは、本職の作家さんの話ではなく、自分の文章を世に出してみたい、という程度の人の場合のことです。

本を作る喜び

「自分の本ができた」という喜びは、これは電子書籍ではほとんど得られません。「できた!」という感動。手に持った時の感触、重み。そして人に見て貰えるという実感、買ってもらう時だけでなく、だれかに手渡す時にも喜びを感じるものです。

世間の評価

世間が見る目、あるいは履歴書への記入などにおいても、紙の書籍の著者になっているというのは、「世間から一定以上のレベルと認められた人」という印象を与えることができます。電子書籍だけだと、簡単に発表できるだけに、紙の本のような評価を得るのは困難です。社会的によほどのインパクトがある電子書籍ならば別でしょうが。

出版の敷居の低さ

出版の敷居の低さは、圧倒的に電子書籍に軍配が上がります。紙の本の場合、出版社からの商業出版だとまず、出版社のお眼鏡にかない、「利益が出る」と判断されない限り取り合ってすら貰えません。自費出版をしようとしても、少なくとも数十万円、場合によっては数百万円のコストがかかります。自費出版本の場合だと、ほとんど売れませんから、コストの回収もできません。つまり、出版にこぎ着けるという意味でも、コストの意味でも、紙の本の出版は容易ではありません。

これに対し電子書籍は、作って登録するだけ。出版社による内容のチェックもありませんし、アマゾンのKindleであっても、フォーマットが指定通りになっていて、著作権法などでの違反がなければ、基本的に登録・販売を拒否されることはありません。出版のコストも、原稿があればパソコンとインターネット接続があれば、それ以上は何も必要ありません。

電子書籍の場合、ページ数の多寡も問題になりません。紙だとホチキスで留められそうな枚数にしかならなくても、電子書籍の場合には出版・販売することができます。

出版からの利益

自費出版の紙の本は元々利益を度外視したものである場合がほとんどですから、紙の本の商業出版と電子書籍を比べてみましょう。

商業出版の場合、いわゆる印税が著者の収入になりますが、印税の率は売れっ子作家でも本の価格の10%、一般的には4%くらいしか貰えないこともあります。2千円の本に対して良くて200円、低いと80円の利益にしかならないわけです。仮に千冊売れたとしても印税収入は8万円から20万円にしかなりません。

これに対し電子書籍の収入は印税というよりは、売れた本の代金から電子書店に手数料を払うという仕組みなのですが、収入としてはKindle等のサービスを利用した場合で本の価格の40%から70%、自分で販売の仕組みを作ったら100%になります。実際には自分で販売の仕組みを立ち上げるのは敷居が高いですし、宣伝もなかなかできませんから電子書店を使う場合がほとんどになると思います。電子書籍の価格は紙の書籍よりは抑えられるのが普通ですが、仮に500円で販売したとして、売れた時の利益は最低で200円になります。

無論、紙の本にしろ電子書籍にしろ「何冊売れるか」が重要なわけですが、同じように売れると仮定すれば電子書籍の方がコストはかからず利益は大きくなります。さらに、紙の本にはしてもらえないような原稿でも電子書籍になりますから、電子書籍の方が利益を得られる機会がずっと広いと言えると思います。

結論

機会があれば紙の本は一度は作ってみましょう。人生がちょっと変わるかもしれません。でも、量が比較的少ないコンテンツを発表するには、電子書籍が圧倒的に便利かつ、収益化しやすいと思います。

Pubooで16冊売れた

Pubooから毎月の報告が来ました。16冊の電子ブックが売れたとのこと。内容を見てみると、3種類の本がそれぞれ1冊、5冊、10冊売れていました。そして全部楽天KOBOでの売上げ。Kindleでの売上げは報告のタイミングがずれるので含まれていません。

「あれれ?Pubooでは売れていないのかな?」と思って確認してみましたが、Pubooからの直接の売上げはここしばらくありませんね。Pubooプロにして、楽天KOBOとKindleで販売していますが、それがなかったら、売上げはほとんどゼロ、ということになってしまいそうです。

KOBOとKindleは今後とも狙っていく必要がありそうですね。楽天KOBOでの売上げが思った以上にKindleに対して善戦しているのが面白いです。著者の実入りはKOBOの方が多いですから、嬉しいです。

アマゾンの著者セントラル

アマゾンに著者が自己紹介?ページを持てる著者セントラルというコーナーがあります。個人名で著者セントラルに登録したことはこちらで書いています。

Puboo経由で出版しているKindle用電子書籍は法人名で出しているので(Pubooの登録が法人なの著者名も自動的に法人になってしまいます)、著者セントラルに法人名でも登録できるかやってみました。すると、法人で使っているアマゾンのアカウントでログインし、無事に登録することができました。エラーが何度か発生したので最初できないのかと思いましたが。法人名で書いた本の著者セントラルページはこちら

一太郎でePubとkindle用電子ブック

PubooにはPDFやePubフォーマットのファイルを読み込む機能があるのですが、ePubに関しては「ジャストネットのIDが必要」となっています。ジャストネットのIDがなぜ必要なのかなあ、と思って調べて行ってみると、ジャストネットのワープロである一太郎が結構進化しているのがわかりました。

一太郎は日本語文書の「見栄えを良くする」にはよいのですが、論理的な長い文章を書くには、アウトライン機能などのあるMSワードにとてもかないません。それで今まで「問題外」と考えていたのですが、電子書籍作成となると別のようです。

実際にePubを作成するソフトを探すと、無料でも使い勝手が悪いSijilとか、あるいは機能は高いけれども異常に高価なAdobe のソフトとかしかなかったのですが、実売価格1万円前後の一太郎でePubやアマゾンKindle用のフォーマットまで出力できるとのこと。

だからPubooに連携機能が設けられたのですね。一太郎で出力したePubをそのままPubooに読み込むという。

PubooにももちろんePubの作成機能はあるのですが、ページ数が多い、また画像も多い電子書籍を編集しようとすると至難の業。途中で放棄してしまっていたのが現状です。でも、一太郎を使えば、Puboo上で編集するよりは当然楽でしょう。

そこで一太郎の導入を決定。まだ使っていませんので使い勝手はわかりませんが、これで電子書籍の編集速度が大幅に向上すれば、1万円の投資は安いものです。

Amazon Kindle ダイレクト出版の参考書

Puboo経由でAmazon Kindleのダイレクト出版サービスを利用していますが、Pubooからの出版本のクオリティが低いというクレームがAmazonからあったようで、Pubooからの出稿が全部止められてしまう、という事態が発生しているようです。我が社の出版物も、多分一時的にだとは思いますが、Amazon Kindleショップから消えてしまいました。これは困りました。

というわけで、Amazonとの直接契約、直接出版も再度考えるべきかと思い、Amazon Kindleダイレクト出版の参考書を探しました。何冊か図書館などで調べてみましたが、これからAmazon Kindleでの出版を試してみたい人には、「Amazon Kindleダイレクト出版 完全ガイド 無料ではじめる電子書籍セルフパブリッシング」をお勧めします。

この本は「ツールにはあれもある、これもある」といった総花的な紹介はせず、お勧めのツールと出版までのフロー・プロセスを一本に絞り紹介しています。初めてダイレクト出版を試そうという人に、「AdobeのInDesignでも本が編集できますよ」なんて紹介されても、「そんな何万円もするソフトを誰が買えるか!」の世界ですが、この本は無料のソフトを使って、手軽に始めるやり方だけを紹介しているところで好感が持てます。

アマゾンKindledeで売上増

Puboo プロを通して楽天KOBOとアマゾンKindleで電子ブックの販売を開始したことは以前書きました。やはりアマゾンKindleは利用者数が多いですね。Pubooでは月に1、2冊の売上だったテキストが、アマゾンKindleでは30冊も売れました。

ただし、アマゾンKindleの場合は著者の取り分が3割と少ないので、相当数売れないことにはまとまった利益にはなりませんが。それでもPubooをプロにしてかかってくる月額利用料は十分元が取れることがわかりました。

Puboo経由の売上アップ アマゾンKindleでも販売

Pubooをプロ版にした話は書きましたが、月額500円払う価値はどうやらあったようです。7月末からの1ヶ月間で、Kindleで4冊の販売(Kindleは多分未集計分がある模様)。プロ版にしないと、Kindleでは販売してもらえませんから。

Pubooをプロ版に

でもそれよりも驚いたのは楽天Koboでの売り上げが10冊に増えたこと。今までだと月にせいぜいが1、2冊でしたからぐっとアップ。これは多分、楽天Koboで販売する電子ブックが、専用ブックリーダーだけでなく、スマホのKoboアプリでも読めるようになったことが大きいのではないかと思います。何しろ楽天Koboでは楽天スーパーポイントが使えますから、アマゾンより好む人も多いはず。

理由はどうであれ、楽天KoboとアマゾンKindleでの売り上げは、月額500円のPubooプロ版の料金を超えていますから、この戦略は当たり!ということになります。