自分の本を会場で売ってしまえ!

もうひとつ面白いなあ、と思ったのが、講演などの折に著書を持っていって売ると、結構売れるのです。多いときは50人の参加者のうち10人に買っていただけました。もちろん面白い話ができるかどうか、ということにもかかっているでしょうけれど。

こうしたときに持っていく本は、著者割り引き(通常2-3割引)で出版社から直接送ってもらったものですから、定価で販売すれば、印税よりも良い収入になります。と言っても、10冊売って3200円ですから、知れていますけどね。

10冊も本を持ち歩いたら大変ですよ。重いですから。相当数が出ると予想されるなら、宅配便を使いましょう。

それでもサインを求められたりするのは悪い気分ではありません。病み付きになるほど面の皮は厚くはありませんが。一度驚いたのは何か勘違いされたのか、本ではなくて紙にサインを求められた時でした。本当にファンだったのか?それとも誰だか知らないけど本にサインしているから有名人だと思われたのか。いずれにしろ当人はこっぱずかしく思ったのでした。

またどんな相手に話すかによって売れる本も違ってきます。一般大衆に話をするときには一般向けの本が、専門分野の人に話すときは専門書が売れます。当たり前のことではありますが。

書くだけでなく、講演もしてしまえ

さて本を数冊書いたり訳したりすると、それなりに人の前で話をする機会も増えます。講演を依頼されることもあり、また私の場合は専門書も書いていますから、大学などでレクチャーをしたり、セミナーに出席することを依頼されることもあります。

こうした機会は、時間当たりの単価にすると結構よい手当てがもらえたりもして、最高1時間話しただけで謝礼として5万円いただいたこともあります。これには驚きましたが。いや、これで驚いているようではだめなんでしょうね。

一方相当遠隔地まで行って一時間9千円とか、あるいは20ページの参考資料を用意させられたのに、支払われるのはしゃべる時間だけ、というひどい仕事もありましたが。

いずれにしろ、毎日そんな機会があるわけでもなし、確実な収入を約束してくれるようなものには私程度ではなりません。

それでもある年の原稿料と講演料の収入は300万円くらいになりました。家族を食わせるには厳しい額ですが、拘束時間はさほど長くないわけですから、時間単価で考えれば決して悪くはありません。

ちなみにこの年の確定申告に行ったら「300万稼いだならこれは雑収入ではなくて事業所得ですね」と言われてしまいました。胸を張るべきかどうか…事業所得には事業税がかかるのです。

講師になる参考書はこちら。