ストックフォトは芸術写真ではない

ストックフォトのサービスを利用し始めた頃のこと。私自身はもう20年も写真を撮っているので、その中には小さいながらも賞を頂いた写真もあれば、友人らから「おお、これは良い」と好評だった写真もあります。

ところがそんな写真をストックフォトに登録しても…売れない。売れないどころか時には「テーマがストックフォト向きでない」「類似写真が既に多数登録されている」といった理由で、登録審査にすら通らないものも。

そこで初めて気がついたのですが、ストックフォトで求められているのは、単独で「良い写真」と思われるような、芸術写真、アート作品ではなく、特定の用途に用いる部品として優れているもののようなのです。

ストックフォトで写真を購入する人は、大きく引き伸ばして壁に飾ろうという人たちではなく、ホームページに差し込んだり、出版物の一部に小さく入れたり、そうした自分のニーズに合った写真を探しているのであって、「おお!」と感嘆できる写真を探しているわけではなかったのです。

ストックフォトは言わば消耗品。ユーザーのその時のニーズに合った、ユーザーの使い方に合った写真を提供して行かないと、まとまった利益を出すことはできません。